時々立ち止まって

枯れた花や

うずくまった

小さな生き物を見つめ

何も考えずに触れるあたし。


とたんに

触れたものたちは

嘘のように命が甦る。


それを見たチエは

最初だけ

引っくり返るくらい驚いてた。


だけど最近のチエは

心配顔ばかり見せる。


大きな瞳の奥に

聡明な色をにじませて

注意をする。



『のえる、

そのチカラのことは

だれにも言っちゃダメだよ?

それに…

そのチカラは

むやみにつかったらいけない気がするの』


――…どうして?


『本当にわからない?

本当になにも思わない?感じない?』


――うん。



『…ダメだよ、のえる』



チエはいつも

かなしそうにあたしを見つめてた。



…うそだよ。

ホントはわかってたよ。


でも…

気にしてくれるチエがうれしくて。



だから


毎日使ってた。


だから


罰が下った。