水色の世界


予想通り流れが速い。

だけど、

視界が悪いだろうと思っていたのに

飛び込んだその川の中は

あたしの目には

やはり水色に映っていて

視界は良好だった。


見えた視界の中

力尽きてしまった子供が

川の力にただ流されてゆく。


その手を捕まえ、

地上に引き上げるのに

思っていた以上の

時間をかけてしまった。


泥だらけになった地面の上に寝かした小さな体。

冷え切っていて蒼白で

そして

命は"みえ"なくて。

あの日を嫌でも彷彿させる。


それだけでめまいが襲ってきそうで、

あたしは頭をぶるぶると振った。