「中野くんがついにヤッタらしいぞ!」


タケが嬉しそうに僕に言った。


「ヤッタって何を?」


「彼女とだよ。エッチを」


「え!」


こんな話を耳にする機会も多くなった。


男子はわりと堂々とこと細かく話をする。


「…ほんでやな。キスしながら胸にこう…手をやってやな、んでパンツを…」


中野くんは男子に囲まれ初体験を実況していた。

僕が近くにいるのに気がつくと

「たっくんはまだなんか?なかなか奥手やなぁ~」

とからかうように言ってきた。


僕だって興味がないわけじゃない。


でも
藍ちゃんの身体に触ることが
なんだかいけない事みたいに感じて
なかなか出来なかった。