ゆびきり

「たっちゃん!どう?藍かわいい?」

藍ちゃんはまた玄関から叫んでいる。

まだ見えないって・・・。


「どれどれ?」

僕が部屋から顔を出すと
ピンクの着物を着た藍ちゃんが立っていた。


アップにした髪がフワフワしている。


「たっちゃん!?おーい!」


「あ・ごめん。かわいくってつい・・・」


みとれてた・・。




「え?」

「ピンクにして正解。良く似合ってる。」


「うん!たっちゃんも早く着替えて!」


藍ちゃんが何色を買ったか結局聞かなかったから
正直ドキドキしてたけど

ピンクの浴衣を着た藍ちゃんは
とってもかわいかった。


黒より絶対ピンクだよ。



僕はウキウキしながら浴衣を着た。


「たっちゃんカッコイイ!!」


藍ちゃんは俺に抱きついてきた。


「コラコラ親の前で。少しは遠慮しなさい」

藍ちゃんのママが笑いながら言った。



「じゃあ行ってきます。」

「花火終わったらまっすぐ帰ってくるのよ」


「はーい!」



僕と藍ちゃんは手をつないで出かけた。



今日は素敵な一日になる。

そんな期待に胸を弾ませて。