ゆびきり

浴衣を買って藍ちゃんが来て
その後
僕はあいずちを打つ程度で
藍ちゃんとはあまり話をしなかった。


話をする気になれなかった。


こんなことは初めてだった。



僕の浴衣はママたちが勝手に選んだ。


家に帰っても僕はすぐに部屋に入った。





「たっちゃん。入っていい?」

しばらくすると藍ちゃんが来た。


「いつも勝手に入ってるくせに」

「そうだけど・・・たっちゃん怒ってるから…。」


「怒ってないよ」

「でも…」

「怒ってないよ」


僕がそう言うと藍ちゃんは少しホッとした表情を浮かべた。



実際、怒ってるわけじゃない

この胸のモヤモヤが気になるだけ。



「ママたちは?」

「藍のお家でお茶してるよ」


「藍ちゃんこっちおいで」

藍ちゃんはそっとうなづいて
僕の横に座った。


「藍ちゃん。好きだよ。」


「たっちゃん…。藍もだよ」



僕は藍ちゃんにキスをする。



藍ちゃんにすがるように
深く深く・・・・。