まだ夏休みが始まったばかりなのに気が早い。
そう思ったのは僕だけなんだろうか・・・
百貨店には浴衣コーナーなるものが新設されていた。
しかもすごい人。
婦人服コーナーのほうが下の階にあるから
必然的に藍ちゃんの浴衣を先に選ぶ。
「このピンクの浴衣もいいかな~」
「でも大人っぽい青も捨てがたいわよ」
「黒もかわいくない?」
ママ達と藍ちゃんは
同じことを繰り返し話しながら
楽しそうに浴衣を選んでいる。
このときボーっと立っていてはいけないことを
僕は知っている。
一時間以上迷ったあげく必ず最後には
「たっちゃんはどれがいいと思う?」
ほらきた。
この時、正解を言い当てなければ
藍ちゃんは納得しない
そしてまた一時間近く悩む
だからこそ
ママと藍ちゃんの会話をよく聞いて適切な返事をしないといけない。
「ピンクが藍ちゃんにピッタリだよ」
「ほんと?ママは黒もいいかもっていうんだけど…」
「ピンクがいいよ」
だって藍ちゃんはピンクが良いって言ってたし。
「俺は黒がいいと思うよ」
僕の少し上から声が聞こえてきた。
聞き覚えのない声だ。
振り返ると、セットされた長めの髪に
はっきりとした顔立ちの男の子がいた。
だれだ?
「滝川先輩!!」
藍ちゃんはその名前に驚きをこめて叫んだ。
「え?滝川先輩って…この間の…?」
僕が滝川先輩の方を見ると
さわやかな笑顔を返された。
そう思ったのは僕だけなんだろうか・・・
百貨店には浴衣コーナーなるものが新設されていた。
しかもすごい人。
婦人服コーナーのほうが下の階にあるから
必然的に藍ちゃんの浴衣を先に選ぶ。
「このピンクの浴衣もいいかな~」
「でも大人っぽい青も捨てがたいわよ」
「黒もかわいくない?」
ママ達と藍ちゃんは
同じことを繰り返し話しながら
楽しそうに浴衣を選んでいる。
このときボーっと立っていてはいけないことを
僕は知っている。
一時間以上迷ったあげく必ず最後には
「たっちゃんはどれがいいと思う?」
ほらきた。
この時、正解を言い当てなければ
藍ちゃんは納得しない
そしてまた一時間近く悩む
だからこそ
ママと藍ちゃんの会話をよく聞いて適切な返事をしないといけない。
「ピンクが藍ちゃんにピッタリだよ」
「ほんと?ママは黒もいいかもっていうんだけど…」
「ピンクがいいよ」
だって藍ちゃんはピンクが良いって言ってたし。
「俺は黒がいいと思うよ」
僕の少し上から声が聞こえてきた。
聞き覚えのない声だ。
振り返ると、セットされた長めの髪に
はっきりとした顔立ちの男の子がいた。
だれだ?
「滝川先輩!!」
藍ちゃんはその名前に驚きをこめて叫んだ。
「え?滝川先輩って…この間の…?」
僕が滝川先輩の方を見ると
さわやかな笑顔を返された。


