置き忘れた指輪。


でも、僕は、それを再び手の中に入れようとしないまま、半年が経った。


もう一度美智さんの家に行ったり…

以前受け取ったはずの連絡先を探せば見つかるだろうし…

トオに頼んだり…

そう…方法はいくらでもあったのに、僕は指輪を再び手の中に入れようとはしなかった。


半年はあっと言う間に過ぎていた。


半年も経ったのかと思うと今さら連絡もしずらくなった。


まぁ…必要なものじゃないし…なんて自分に言い聞かせたりして、指輪のことを記憶の片隅にしまいこんだ。