「大切な…指輪なんですよね?」

そう聞かれて、僕は手のひらに包まれている指輪の箱を見つめた。


「大切です。でも…もう誰にもつけて貰えない指輪なんです。」

「そう…ですか。」

最初は、そんなぎこちない感じ。

でも…僕は自然に藍ちゃんの話をすることになったんだ。

これが、夜だったせいか
彼女との再会がすごい偶然だったことが背中を押したのか
それは今でも分からない。

美智さんは、聞き上手だったのか、無理なく話をすることが出来た。