約束は11時にカフェで。


電話では何も言わなかったけど、心配してくれているに違いない。



「たっくん。こっち~。」

店に入ると奥からトオが手をブンブン振った。


「悪かったな。仕事忙しいのに…。」

僕はそう言いながら、椅子をひいて座る。

「何言ってるんだよ。俺が呼び出したんだし。」
トオは明るく答えた。

「心配…してくれたんだろ?」

僕の言葉に少し複雑そうな笑みを浮かべる。

「別れたって聞いて…心配した…ごめん、おせっかいで。」

「何言ってるんだょ。ありがとう。嬉しいよ。」

少ししんみりしたので、店員を呼んでコーヒーを頼んだ。