「あの…落とし物なんですが…」


デスクで書類整理をしていると、長い髪が目に入った。

前には綺麗な女の人が立って居た。


「どうしましたか?」

僕は笑顔で答えた。

すると、安心したように表情が緩み

「交番の前に、これが落ちてました。」

そう言って、ブルーの紙袋を右手に握り締め、前に差し出した。


「どうぞ、そこに座ってください。」

「はい…」

紙袋を受け取り、中を覗き込んで、僕は固まった。


中に入っていたのは白い箱…

「交番の前にありましたか?」

「はい…」

袋には、白い箱と白い紙が入っていた。


二つに折られた紙をそっと開く。


『たっちゃんへ』

手紙の初めにはそう書かれていた。

間違いない。

これは藍ちゃんが置いたんだ。

そして…
この箱に入っているのは
きっとあの日渡した指輪だ。



僕は、呼吸を整えて、手紙の続きを読む。


手紙には小さな字でびっしりとこう書かれていた。