藍ちゃんと会った夜
家に居座っていたトオに女の子の喜ぶホテルを聞いた。


なんと、この時期スイートルームに格安で泊まれるらしい。


「よく使ってるだろ…」
からかう僕に

「まぁね。」

と普通に答える。


藍ちゃんだけを想い続けてきた僕に比べれば
トオは女の子との経験は豊富だ。



「でも…1人を深く理解するのと、たくさんを浅く広く知るのとは、どっちがすごいんだろうな。」

トオは、少しうつむいて、呟く様に言った。


けして自分を高い位置に置かず、そういうことを真剣に考えられるトオが、僕は好きだ。