トオはいきなりカーテンを閉め、かすかに見えていた藍ちゃんの姿は見えなくなった。

「トオ?」

僕はトオの行動の意図が掴めないままトオを見た。

「行ったら?相手の男が出来ないこと…たっくんなら出来るだろ。」


「え…」


「誰の為に我慢してる?見て分からない?2人はああゆう関係だよ。泣いてる彼女を慰めることもできない。」

トオは、僕の力のこもったままの手をそっと握り上にあげた。

この手はなぜ力がこもってた?

僕は…藍ちゃんに何を思った?



「僕バカかなぁ…藍ちゃんが好きなんだ。今すぐ抱き締めたいって…そう思った。」


「バカでも良いんじゃない?」

トオは少し笑った。

僕もつられて笑った。