「藍ちゃん、成城高校受けるんじゃないんですか?」

僕の前に白紙の進路調査表をだした先生に詰め寄った

「う~ん。確かにレベル的にはそうなんだが、まだ何か決めかねてるようで、時期も時期だし何か聞いていないか?」

先生は、名前だけ書かれた紙を指でつまむと
目の前でヒラヒラさせた。

「僕は何も…」


「この時期は何かと悩む時期だから、相談にのってやってくれよ」


「はい。」



職員室のドアをゆっくりと閉め
藍ちゃんの居る教室へまっすぐ向かった。





「藍ちゃん」

「一真くん、今日日直だっけ?」

「そうだよ~!俺一人でやったんだぞ!」

「ごめん~!」

「放課後は残ってくれよ?」

「はぁ~い」


藍ちゃんは、ニコニコして話していた。


大きくなるにつれ
僕の知らない藍ちゃんだけの時間が多くなってきた気がする。


「藍ちゃん。」


僕の声に藍ちゃんは忠実に反応した。


「たっちゃん!」