あお夢【短編】

啓くんは、自分からめったに気持ちを表現する人間ではなかった。一生懸命思い出して見ても、本当に数少ないのだ。だからこそ、あの告白は、本当に特別なことだったのに・・・・バカバカ・・・この鈍感女・・・わたしは、自分の頭を強く叩いた。「爪、かわいい。」


そういって、私の指先をそっと握るしぐさ。

見え見えの待ち伏せをして


「偶然、一緒に帰ろっか。」って誘うとこ。


混雑した食堂で、どさくさに紛れて、後ろから肩を抱き締めてくること。