啓くんは、自分からめったに気持ちを表現する人間ではなかった。一生懸命思い出して見ても、本当に数少ないのだ。だからこそ、あの告白は、本当に特別なことだったのに・・・・バカバカ・・・この鈍感女・・・わたしは、自分の頭を強く叩いた。「爪、かわいい。」
そういって、私の指先をそっと握るしぐさ。
見え見えの待ち伏せをして
「偶然、一緒に帰ろっか。」って誘うとこ。
混雑した食堂で、どさくさに紛れて、後ろから肩を抱き締めてくること。
そういって、私の指先をそっと握るしぐさ。
見え見えの待ち伏せをして
「偶然、一緒に帰ろっか。」って誘うとこ。
混雑した食堂で、どさくさに紛れて、後ろから肩を抱き締めてくること。

