あお夢【短編】

わたしは、本当に久しぶりに啓くんと話をした。もっともっと、話したくて、ついついゆっくり歩いてしまう。そんなわたしを、啓くんは、笑った。二人で、ゆっくりゆっくり、歩いて帰るから バスに乗り込む時、誰もいなくて、二人きりだった。


わたしたちは、一番奥の窓側に座った。


バスは、静かに発車した。


二人だけを乗せて。


車内は、雨で湿気が溢れている。


わたしは、二人きりの雰囲気に呑まれそうになった。