無敵のキラりずむ

すねで後頭部を直撃してやろうかと思ったけど、ニラむ、だけでこらえる。

「はい。これどうぞ」

ヒデタダは、勝手に何かを用意して、刹那に差し出した。

ビール?

「・・・なんだ?毒入りか?」

「そんなことしてどうなる?紫苑はあんたがいなかったら、オンナに走るらしいのに」

「そう、か」

納得しないで欲しい。

刹那がグラスを持つのを待ちかねて、ヒデタダはニッと笑う。

「何?」

「実は毒入りじゃなくて媚薬入りだ」

「媚薬?」

刹那が目を上げる。

「それって、どっちの効果のやつ?惚れ薬?催淫薬?」

サイイン??

「さあ」

「飲んでみりゃ、分かるか」

刹那は、くっと、ビールをあおった。