「次、何飲む?」 ヒデタダが訊いた。 「刹那をツブす気?」 「これくらいでツブれないよ。それに、ツブせれば『もう、紫苑でもいいや』ってなるかもしれないから、都合いいじゃん」 「あの、聞こえてるんだけど」 「うん。隠そうと思ってない」 「って、ヒデタダ、紫苑ちゃんのこと、あきらめたのか?」 「まさか」 あたしはぞっとした。 「けど、ちょっと、加勢したくなった」