「それは、なかなか魅力的ですね」


ニッコリ、笑っておく。


「あ、紫苑ちゃんだ」


ドアの開く音と同時に、声がした。

線の細い感じの美形。

見た目にたがわず、優しい先輩の、省吾さん。


「帰ってきてしまったんです。また、よろしくお願いします」


彼は、他の二人と違って、普通にニッコリ笑ってくれた。

こうして、あたしは、再び、ここ『シュロス』に、戻ってきた。