遡(サカノボ)ること11年前…


―――――――――…


「にっに、にっに!!!」


「どした、愛美??」


「つー、つー!!!!」


幼い私は当時2歳


琉輝お兄ちゃんは当時18歳


まだ上手に喋れない私に困る雄輝お兄ちゃん


「愛美、はい、おやつ」


優しく微笑みかけてお菓子をくれたのは琉輝お兄ちゃん


「兄貴ってすげぇーなぁー」


「何でだよ??」


琉輝お兄ちゃんは笑いながら雄輝お兄ちゃんに問い掛けをした


「だって愛美のことならなんだって分かっちまうじゃんかよ」


「お前もすぐにそうなれるさ」


雄輝お兄ちゃんの頭をポンポンと撫でる琉輝お兄ちゃん


でも、そんな幸せな日々はすぐに過ぎていったんだ…