甘い笑顔のキミ

「…やっ…離して……」

とっさに田中くんの体を押すと
さらに強く抱きしめられる。



「…藤崎の返事はわかってる。だから、今だけでいいから…このままでいさせて…。」


苦しそうに言う田中くんに私は何も言えなくて、

ただ、苦しいくらいに抱きしめる田中くんの顔がとても切なくて……


(…私と同じ…)


好きな人に想いが届かないことが
どれだけ苦しくて切ないかがわかるから……



「………ん…。」


泣きそうになるのをこらえながら
私は小さく頷いた。