甘い笑顔のキミ

そんな二人を見ながら、さっきの和樹の言葉を思い出す。


“あいつ、結構嫉妬深いんだから”

相川くんが嫉妬って…。

いつも余裕な笑顔で過ごしている相川くんからはなかなか想像できない。


ていうか、嫉妬するってことは…


……相川くんに、好きな人がいる…？


そう思っただけで胸がズキンと痛くなった。


思わず鞄を持つ手に力が入る。

…そんなの…やだよ…。


ただの予想でしかないのに、少し考えただけでこんなにも胸が苦しくなる。


すると隣にいた舞にポンッと肩をたたかれた。

「渚が心配することなんて何もないよ。ほらっ、元気出す！」

私がそんなにも不安そうな顔をしてたのか、明るく笑いながら話してくれる舞。


「…でも」

「元気ない渚なんて渚じゃないよ？ていうか、今の会話のどこから不安になるの…。」


舞は半分呆れながら言うと、顔を近づけて耳元で小さく囁いた。