甘い笑顔のキミ

「そんなに慌てなくても…。ってか二人、付き合ってんの?」

「……付き合ってないよ。」

私がそう答えると田中くんは驚いた表情をした。

そりゃそうだよね。

付き合ってないのにキスマークついてるなんて、普通はおかしいと思うもん…。

田中くんは「ふーん」と呟くと、
隣にいて、もともと近かった距離をさらに縮めた。

そして手を伸ばしてきたかと思うと首筋にそっと触れた。

「……なんか、妬けるな。」

低い声で囁かれ、一気に顔が熱くなる。

田中くんはさらに近づいてこようとして、

「ちょ、ちょっと待った!!」

咄嗟に田中くんを押し返すと、すぐに体が離れた。

田中くんは赤くなった私を見ながら声をあげて笑い出した。