―――文化祭2日前―――


「………。」


「…渚、生きてる?」

横から顔を覗き込む舞。


屋上の壁にもたれながら軽く右手を振り返す。


舞は右手を確認すると「疲れてるねー」と言いながら

手作りのクッキーを口に放り込んでくれた。


…うん。おいしい。

そのまま無言で舞のクッキーを食べ続けていると、

隣で舞がくすくす笑った。


「昨日幸せだった分働けってことじゃない?」


「はい」とお決まりのミルクティーを渡してくれる。



「…私より幸せな人なんて山ほどいるよ。」


ごくり、と一口ミルクティーを飲む。


「……いや、昨日は誰よりも幸せだったけど。」