「ほんと…もう、藤崎さん可愛すぎ…。今のはほんとにヤバかった…。」

「え…?」


そう言って溜め息をつきながら壁にもたれる相川くん。

思わず聞き返すと私をちらっと見てから、独り言のように呟いた。


「……ほんとに、キス…しそうになった…。」


相川くんの顔は真っ赤に染まっていて、片手で口元を隠している。

それでもちゃんと私の耳には届いていて。

「~…っ!!」


相川くん以上に顔が赤くなり、咄嗟に口を手で覆う。


「大丈夫だよ。さすがに唇にキスは我慢する。…多分…。」


苦笑しながら言う相川くん。


…多分って……、
する可能性もあるってこと…?


なんて、不安と期待が入りまじったような気持ちで相川くんを見つめると、クスッと笑いながら頬に手をあてられた。