「しかし、君達も思いきった事をするなぁ~。あのブタフィの軍を相手にたった四人で立ち向かおうなんて無謀もいいところだ……アリがライオンと戦うようなもんだぞ?」


チャリパイの勇気は認めながらも、ブタマーンは今の四人の戦力をそんな風に評した。


「ブタマーンさん、それはあんまりでしょ!ブタフィがライオンって、あれはどう見たってブルドッグよっ!」


「いや、見た目の事じゃ無くてだね……」


子豚の反論に、ちょっと呆れ顔のブタマーン。


「確かにブタマーンさんの言う事は正しいよ……あっちは何千何万の兵士に戦車や戦闘ヘリだってあるんだ!まともにやり合って勝てる相手じゃ無いよ……」


腕組みをしたシチローが、辛辣な表情で呟く。


まともにやり合っては勝てない事は、誰が考えても明白であった。シチロー以外の三人もその事は理解しているらしく、皆、打開策を見出だそうと頭を抱え込んでいた。


そうして暫くの沈黙の後、ふとてぃーだがあるアイデアを口にした。


「ねえ、CIAのジョンに助けを求めたらどう?」


『CIA のジョン』とは、チャリパイと親睦の深い、御存知アメリカ合衆国諜報部のトップエージェント『ジョン・マンジーロ』諜報部員の事である。


「なるほど!ジョンだったら、米軍の精鋭部隊を動かせるかもしれないな!」


何しろ、チャリパイはアメリカ合衆国とCIA には大きな貸しがあるのだ。


大統領の人に言えない秘密を握っていた事もあるし、地球を征服にやって来た宇宙人をジョンと共に撃退した実績だってある。



到底不可能と思われたイベリコ奪還作戦にも、わずかに可能性が見えてきた!


と、その時誰もがそう思った。




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