「ねぇ~イベリコ、あの話ってホントなの?」


食事が終わって、自分達が泊まる部屋へと戻って来ると、すぐさまひろきがイベリコへ問い掛けた。


「本当です……
でも私は、ブタフィの花嫁になるつもりはありません!絶対に!」


ブタマーンが言っていた事は本当であった。


ブタフィ将軍の幾度もの婚姻の申し出からイベリコを護る為に、王家はイベリコをブタリアから遠く離れた日本へと行かせたのだった。


そして、イベリコは日本でチャリパイと出逢い、イベリコの代わりに子豚が、イベリコを追って日本にやって来たブタフィの親衛隊に拉致されてしまったのが、これまでのいきさつである。



「って事は…今頃宮殿ではコブちゃんがブタフィからの求愛を受けている訳か……」


腕組みをして、子豚を心配すそぶりを見せるシチロー。


しかし、その表情は心なしかニヤけていた。


すると突然、ひろきが


「そうだ!ブタフィって、もしかしてイケメン?…だったらコブちゃん結婚しちゃうかも!」


慌てた様子で騒ぎ出すが、そんなひろきにてぃーだが部屋に置いてあった新聞の一面を見せ、言った。


「その心配は無用のようね……この新聞にブタフィ将軍の写真が載っているわ」


その写真を覗き込むと、ひろきもてぃーだに同調する。


「うわ~~!
なんか、ブルドックみたい……」


ブタフィ将軍。名前は《ブタフィ》でも、顔はブルドックであった。