「大変だわっ!
外の連中がこっちに向かって来たわよ!」


突然、事務所の方に向かって走り出して来た男達を見て、慌ててドアを閉めて大騒ぎをする子豚。


「一体、奴らは何者なんだ!何の目的で……」


全員サングラスの集団なんて、怪しい事この上ない。そんな連中が、この事務所に向かって来ていると知って、シチロー達の間にも緊迫した空気が張りつめた。


「きっと、スキヤキ横取りに来たのよっ!早くどこかに隠さないとっ!」


「そんな訳がね~だろっ!」


緊迫のベクトルがどこか違う子豚に向かって、すかさずシチロー、てぃーだ、ひろきのツッコミが飛ぶ。



と、その瞬間。



「きっと、ブタフィ将軍の親衛隊だわ!
私を連れ去りに来たのよっ!」


今度は、青ざめた表情でイベリコが叫んだ。


「ブタフィ将軍って、さっきの話の……けど、その親衛隊がどうしてイベリコを連れ去りに?」



チャリパイの四人は、イベリコがブタリア王国の姫だという事実をまだ知らない。しかし、イベリコの表情を見れば、今の状況が彼女にとってかなり危機的なものである事は、容易に想像が出来た。