「これはこれはブタフィ将軍♪
テレビ観ましたよ~♪ご婚約おめでとうございます♪」


あの緊迫した状況から一転、まるでカーディーラーのセールスマンのような愛想の良さで握手を求めて来るジョンの態度に、拍子抜けするブタフィ。


「な、何なんですアナタは?
いきなりこんな所にやって来て!」


「いや、確かに仰る通りですな……
少々強引な訪問だったかもしれません」


「少々どころの騒ぎじゃない!
立派な領空侵犯ですぞ!撃墜されても文句は言えない!」


「いやぁ~♪実際に撃墜しようとしてきましたよ、オタクの空軍部隊は。まぁ、ウチのパイロットが上手く交わしてくれましたがね♪」


愛想の良さとは裏腹に、言っている事は嫌みたっぷりである。
まるで、ブタリア空軍をマク事などアメリカ空軍にとっては朝飯前だと言わんばかりだ。


「それで!アメリカが一体何の用なんだ!」


ジョンの態度に不愉快そうな表情を浮かべ、ブタフィが話の本題に入った。


すると、今までのラフな態度からはは一転、急に表情を引き締めたジョンはブタフィに対し今回の訪問の目的を告げた。


「実は、合衆国大統領からの命を受け、ブタフィ将軍に今回の御婚約に関しての大統領メッセージをお届けに参りました!」


「大統領からのメッセージ?」


「そうです、メッセージです!」


ジョンから今回の婚約に関する『大統領からのメッセージ』という言葉を聞いたブタフィは、思わず顔を綻ばせた。


「なるほど、そういう事でしたか♪
アメリカ大統領がわざわざこの私とイベリコ姫と婚約に祝福のメッセージとは、大変有難い♪
どうか大統領に宜しくお伝え下さい♪」












「いや、その逆です。
アメリカはこの婚約を認めてはいない!」


「なんだとおおぉぉ~~~!
最初にアンタ、握手しながら『婚約おめでとうございます』と言っただろ~がっ!」


「あれは社交辞令だ。
アメリカ人はみんなする事だよ」


顔色ひとつ変えず、ジョンはそう言い放つのだった。



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