ブタフィとイベリコの婚約発表会見が全世界に衛星でテレビ中継されるとチャリパイの四人が知ったのは、会見を三日後に控えた日の事だった。
「ちょっと!それ、ホントなの?」
「本当だよ、牢の看守をしている兵が話しているのを聴いたんだ。
『将軍が王室に入れば、軍の待遇も今より良くなって自分達の給料も上がるんじゃないか』って嬉しそうに話してたよ!」
シチローの話を聴いて、ロースが悔しそうに舌打ちをする。
「クソッ!あの身勝手なブタフィのやりそうな事だ!
全世界に告知されれば、王室だって面子がある。簡単には覆せないかもしれない」
「シチロー、すぐにでもここを脱獄しないと!何か作戦はないの?」
婚約会見まで、あと三日の猶予しか無いのだ。
映画での脱獄シーンなどでよく観るような、床から穴を掘って毎晩密かに少しずつ掘り進める……なんて、悠長な事はやっていられない。
シチローは、なんとかこの牢獄から脱け出す方法を考えるのだった。
そして、考えに考えた結果……
「よし、作戦の決行は今日の深夜3時……成功の鍵はすべて…………………………………………
コブちゃん!君の両肩に懸かっている!」
「えっ?・・・・私・・・・?」
シチローが立てたその作戦とは……….…?
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