宮殿の地下収容所での生活は、普段自由気ままに堕落した生活を送っていたチャリパイにとって、苦痛この上なかった。


「またパンとスープだけ……これって何ダイエットなのよっ!」


支給される食事だけでは到底足りない子豚は、食事の度にぶつぶつと文句を言っていた。


「ビール飲みたい……」


牢獄の中では飲酒など有るわけもなく、『底無しビール大好き人間』なひろきには堪えがたい毎日である。


「あれから何日経ったのかしら……ここって陽の光が全く入らないから、時間の感覚が分からなくなってくるわね……」


「イベリコはどうしてるんだろう……きっと、落ち込んでいるだろうなぁ……」


床一枚隔てた場所ながら、上の情報は殆ど入っては来ない。


てぃーだの疑問に答えるならば、チャリパイが牢獄に入れられてから3日が経過していたが、その間にブタフィ将軍の王室乗っ取り計画は着々と進められていた。










「各国からの祝辞の順番はいかが致しますか?将軍」


「そうだな……おかしな誤解を生まぬようABC順にしておけ!それより、この私の衣装は少し地味ではないのか?」


「分かりました!それでは将軍のお好みに合う衣装に変更するよう、係の者に伝えておきます!」


「ん、頼んだぞ!なにしろ私とイベリコ姫の婚約発表会見は全世界の目に晒されるのだからな!」


イベリコに婚姻承諾書のサインをさせてから、ブタフィはすぐに行動を起こした。


二人の婚約発表会見の日を一週間後とし、世界中の主なメディアに招待状を送ったのである。


未だにこの婚姻に反対する王室の大臣達に対し、これは大いなるプレッシャーとなるはずである。



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