「わぁ~っはっはっは~~っ♪
残念だったなあ~お前達♪
所詮、お前達たった四人で我が軍に敵うはずなど無いのだあ~~♪」


形勢が逆転したと判ると、とたんに調子づくブタフィ将軍。


「フン、さっきまで泣いて命乞いしてたくせによく言うわよ!」


「う、うるさい!あれはお前達を油断させる為にわざとだな……」


「苦しい言い訳ね……」


「やかましい!お前達、少しは今の立場をわきまえんかっ!形勢は完全に逆転したんだぞ!」


ブタフィ軍の兵士に銃を突き付けられながらも、そんな憎まれ口を叩けるチャリパイの度胸はさすがである。


しかし、ブタフィの言う通り形勢は完全に逆転した。


『袋の鼠』という言葉がぴたりと当てはまるように、今のチャリパイの置かれている状況は最悪と言える。


「そんな事より、おいそこのお前!さっきのケータイをよこせ!」


突然、思い出したようにブタフィはシチローに向かって、ケータイを要求した。


それはそうであろう。あの映像の存在はブタフィにとって目の上のタンコブ、一刻も早く処分しなければならないものである。


シチローも、これを拒否する事は不可能だと感じたのだろう。渋々ポケットからケータイを取り出し、ブタフィに手渡した。


「あの映像を消したいんだろ?
やり方を教えるよ。まず、左下の『メニュー』のボタンを押して……それから……」


「その必要は無い」




グシャ!!




「ああああぁぁぁ~~~~っ!!」


シチローの悲痛な叫び声が、部屋中にこだました。


ブタフィがシチローのケータイを床に叩きつけて踏み潰したからだ。


「ヒデエ!まだローンが残ってるのに!」



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