「私の国『ブタリア』の国王が、先月病気で亡くなってからの事です……
ブタリア軍の将軍『ブタフィ』は、武力で国を制圧し国民の生活をメチャクチャにしてしまいました。
税金を勝手に上げたり、軍部を批判する者を捕まえて処刑したり……
国民は、ブタフィ将軍に怯えながら今も不自由な暮らしに苦しんいるわ……」
「典型的な『軍事政権』ね……酷い話だわ!」
イベリコの話に、てぃーだが飲み干したビールジョッキをテーブルに置き語気を強めた。
「ニッポンの強いサムライに国を救ってもらう……かぁ……」
シチローも今の話を聞いて、何故イベリコが侍を捜していたのかを理解した。しかし、残念ながらそのイベリコの希望を叶えてやる事は不可能である。
仮に、イベリコの言う『サムライ』が本当に存在していたとしても、国を掌握した軍事政権が相手となれば、まるで相手にならないであろう事は、日本人のシチローからしてみれば明白であった。
しかし……
「よし!じゃあ~チャリパイでその将軍をやっつけて、平和な国を取り戻すぞぉ~!」
酔っぱらいのひろきには、そんな常識は通用しないらしい。
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