対峙するブタフィ陸軍部隊とチャリパイ。


その距離はおよそ五十メートル位だろうか……ブタフィ軍の放つ威圧感たっぷりのオーラに、興奮したダチョウ達が雄叫びを上げた。



クエエェェ~~~~ッ!



『いいか、殺すんじゃないぞ!生け捕りにして、ここに連れて来い!』


『了解しました!将軍!』


ブタフィの指令が無線で伝えられると、二百数十からなるブタフィ陸軍部隊はゆっくりと前進し、チャリパイとの距離をじわりじわりと縮めていった。


相対するチャリパイは、その場にとどまり皆真剣な表情で近づいてくる部隊を睨み付けている。


ただ、睨み付けているといっても顔はバカ殿メイクなので、いまいち迫力に欠けるのは否めないのだが……


「アイツら、撃ってこないでしょうね……」


「撃ってくるかもしれないが、狙ってはこないと思う。ブタフィはオイラ達を自分の目の前でいたぶりたいと思っている筈だよ」


シチローの言う通り、陸軍兵の発砲は殆ど威嚇目的のものだった。


戦車から発射される大砲もチャリパイを狙ったものでは無く、遥か頭上を通り過ぎるだけであった。


しかし、それでも嵐のような集中砲火の前にチャリパイは身動きひとつ取れない。


「みんな怯むなよ!ここが気合いのいれどころだ!」


「イエッサァ!」


恐怖に必死で耐え、一歩も退かないチャリパイだったが、そんな様子を宮殿から双眼鏡で見ていたブタフィは、愉快そうに嘲笑っていた。


「ワッハッハッ♪所詮四人ごときではなにも出来まい!『最後のサムライ』が聞いてあきれるわ!」


ブタフィ陸軍部隊との距離は、しだいに縮まっていく。


五十メートルから四十メートル……三十メートル……二十メートル…………



………そして……………………




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