いつの事だったろうか……
イベリコとロースは、互いの結婚観について話をした事があった。
「私は……ロースとだったら、結婚してもいいなぁ~
子供をたくさん授かって、毎日賑やかな笑い声に囲まれて暮らすの♪」
「ハハハ♪確かにイベリコなら、元気な子供がたくさん産まれそうだよ♪
……でもねイベリコ。君は王室の血筋を継ぐお姫様なんだよ……オレなんかとは、身分が違い過ぎるよ……」
王室の世話役である侍従局のまだ下働きのロースが、王家直系の姫であるイベリコと結婚する事など、叶う筈も無いとロースは当然のように思っていた。
「ロース…………」
それを聞いて、寂しそうに瞳を伏せるイベリコの肩に手を置き、ロースはこう言って慰めた。
「でもなイベリコ、オレは王室付きの侍従局のロースだ!
イベリコの事はどんな事があってもオレが生涯護り続けてやる!だから、そんな顔するな♪」
イベリコの目の前でそんな約束を誓ったロース。
そして、その言葉の通りロースはイベリコを護る為、あの日ブタフィのいる軍司令部へと単身で乗り込んで行った。
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