ロース………まだ、イベリコの父である国王が健在でイベリコがまだ幼い子供だった頃からずっと、彼はイベリコの傍で一緒に笑い、泣き、そして彼女を護ってきた……
王室のしきたりに従い、一般の学校へは通わず王室専属の家庭教師を付けられていたイベリコ。
その為、同世代の友達と呼べる友達はほとんど居なかったイベリコだったが、そんな中、唯一の友達と呼べる存在だったのが侍従局の長、トンソークの息子のロースだった。
王室付きのトンソークに連れられ、毎日のように宮殿へとやって来たロースは宮殿の大人達の心遣いもあって、子供ながらに孤独なイベリコの遊び相手として歓迎された。
「ローース~~ちょっとまってよおぅ~~!」
「アハハハ♪おそいぞイベリコ~~おいてっちまうぞ~~♪」
イベリコに木登りやダチョウの乗り方を教えてくれたのも、宮殿の者に内緒でイベリコを初めて市場まで連れ出してくれたのもロースだった。
やがて二人は成長し、ロースは侍従局の一員として宮殿で働くようになった。
子供の頃はただの遊び相手であったロースとイベリコであったが、いつしか二人はお互いを異性として意識し合うようになり、そして愛し合うようになっていた。
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