ゆっくり、体を離す。


「尚輝…」


「ん?」


「……何でもない。」

あのことは、言わないことにした。


「…バイバイ」


「波留…!?波留、どこだよ!!波留!!」


尚輝は辺りを見回す。

「………」

私は無言で大夢さんとその場を立ち去った。



式場から細い煙が立ち上る。


外にいる皆は、その煙を見ていた。


「そろそろかな…」


「何がですか?」


「私の、最後のメッセージです!!」

すると、尚輝、家族、鈴……皆の携帯が鳴り出した。