あの人は、今更私を捜し出して何をしようと言うの?


『璃子!』

――彼女のまるで悲鳴のような声

『これ以上はやめようよ!じゃないと……璃子が壊れちゃう!』

あの日私は、その伸ばされた救いの手を、振り払った。

『もう、関わらないで。私には聡真さえいればいいの』



私の人生は狂った。

何故、アナタは今更私に執着するの……。


「青田」

「樋山……」

「何突っ立ってんだ?」

私が、何故樋山と話せるのか、ふと疑問に思った。
彼は、オトコなのに。

「もう行くし」

ふいっと顔を逸らし、校舎へ。

「あ、そういやさ、青田」

「何よ」

「紗耶香、“ソウマ”って奴と最近関わってるらしいんだけど……」

「何で、何でそれを私に言うの」

聡真は、私のトラウマでしかないのに。