「樋山紗耶香はいる?」

私がそう言えば皆の視線はある一点に集まった。

そんなところに隠れてたか。

「紗耶ちゃん」

「なんでしょう」

紗耶ちゃんの表情は硬い。
警戒してるのか否か。

「話がある」

「構いませんよ」

「そう、なら来て」


紗耶ちゃんは大人しく私に従い後を着いてきた。



「どこまで行く気です?」

「ならここでいい」

「そうして下さい」

「単刀直入に聞く」

まどろっこしいのは嫌いだ。

「なんであんな内容のメールを送った?」

アドレスの出所とか目的とかそれよりもどうしてあんな内容を送れたのかが何よりも気になった。

「私がグルか、調べたかが知りたいんですよね?」

ちゃんとわかってるんじゃん。
なら話は早いね。

「勿論」

ニヤッと紗耶ちゃんは笑った。
その顔に私は少し後退りをしてしまう。