「以前、貴方様の美術館が火災に遇われたそうで…。」

「そうですね」

主人は表情一つ動かすことなく頷く。

「その後、火から逃れた絵画が発見されたそうなのです。これなのですが…」

丁寧に包まれた布を解くと、それが顔を覗かせる。