「あ、苺顔赤い」

またにやにやして言ってくる里桜をちょっと遠慮がちに睨んでみる。

「はいはい、行こう」

頭をおっきい翔の手でぽんぽんとされる。

翔は私の手を自然につかむと歩き出す。

その、当たり前のような行動にも照れくささを感じてしまう。

まだ慣れない私がお子ちゃまなのだろうか…。

少しだけ後ろで翔の背中を見つめながら歩いた。

帰り道、里桜達と別れてから2人で坂道を下る。
私の家と翔の家は方向が真逆なのに、毎日送ってくれる。
『迷惑だからいいよ』
時々、申し訳なくて言ってはみるものの、
『ひとりで帰らせて襲われた方が迷惑』
と、軽くあしらわれて終わる。


まだ信じられないけど、そういった行動を見ると……、愛してもらってるんだなって真っ直ぐに伝わってきて……。


きゅうと、胸が締め付けられる。













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