───…… 『ぁン…… だめ…』 『なんで…いーじゃん』 『やぁだ………』 同じ美術部の3年の先輩と いわゆる “そーゆーコト” になりそうな 一歩手前 ─ ぅおっほ っぅおっほっほ ─ 誰もいないはずの教室の後ろの方から 何か出そうなほどの わざとらしい咳ばらいが聞こえた その音に驚いた先輩は 私の制服を 中途半端に乱したまま 走って逃げた