「おめでと~♪」

今日は卒業式。皆泣いてる
あたしも泣きそうになってきた。
…やばい、我慢我慢っ

今日は用事があるから
友達を置いて先に帰ることにした

「ばいばーいっ!」


あたしは未亜と絶対同じ学校
行こ~ねって約束してばいばいした。

1人になると、いきなり
涙があふれてきた。

「大丈夫?」

上から声がして、あたしは
思わず後ずさった。

「ぇっ?…誰?」

「あーわりぃ俺、牙句遊斗。」

頭をかきながら言ってくる姿が
ちょっと照れくさそうだった。

「あたしは…奈々っ、雪乃奈々!」

「よろしくなっ!俺今日ここ卒業
したんだ、雪乃もなんだなっ」

良く見たら同じ学校の制服だった。

男子の制服どこのとも似てる
から気付かった…

人数が多い学校で
有名だから学年一緒でも

知らない人は結構多いんだ。


「あ、俺のハンカチ使えよ。
俺必要無かったみたい(笑)」

牙句は、笑いながらあたしに
そっとハンカチを渡してくれた。