ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「あそこで、あんな事言うかな…。キムマサ、鬼だよな。」


「ああ、あれはない……。」


答えながら、杉山は異変を感じ、プールを見た。

対面から泳いできた女子達は、こちらのプールサイドにタッチして次々と折り返していく…。

だが、杉山の目の前の女の子は、前に進まないでいた…。


『…!?』

女の子、真中朱美は、プールサイドまであと1メートルほどの所で水をかいだままだった……。