ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「ったく…、思い切りハマっちゃったよ…。君、少し濡れたっぽいけど大丈夫?」


奈月は事の成り行きがわからず戸惑いながらも、
先程後退りした時に少し浸かった足を確認した。


「だ、大丈夫…です…。」

「ならいい…。」

男子学生は、川から上がって、奈月の隣に腰を下ろした。

奈月は、どうしたもんかと、言葉を出せずにいた。


「変質者か…。まだ、そっちの方が君にはよかったかもね。なにせ俺、2年前に人を殺してるから…。」

沈黙を破った、男子学生に覗き込まれ、奈月は、血の気が引くのを感じていた。