ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「こ、来ないでよ…。変質者、来るな!」


奈月は後退りをし始めた。

それを見て、男子学生は歩みから、
駆け足に変え猛然と奈月に向かって行ったのだ。

男子学生が手を伸ばしてきて、
奈月の肩に手をかけた時、

「キャア〜。」

奈月は悲鳴あげた。

男子学生のもう片方の手が腰の辺りにまわり、奈月は目を閉じた。

『なんで…、こんな事に…。』

奈月は、自分が震えているのがわかった。