ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「慢性白血病って…。今すぐ命がどうかなるってわけじゃないけど…進行すれば…。」


夜中に目を覚ました奈月の耳に、咲子の声が入ってきた。

どうやら、父親、武晶と話しているようだ。


「そんな…。奈月がなんで…。」

ショックを受けた武晶の声は、今までに聞いた事がないくらいに、か細かった。