ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

『でも篠原って子に比べたらましなんだけど…。』

そんな答えが杉山の脳裏に浮かんだ。

「篠原って子、結局夕方なにしに来たんだ?」

天井を見上げながら、杉山は呟いた。

「奈月でいいよ、私も充って呼ぶし。」

「じゃあ、奈月は…。えっ!?」

驚いて頭をあげた杉山は、
カーテンの隙間から覗いている奈月と視線があった。