ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

藤崎は杉山に近づくと、肩の上に手を置いた。

「……ったから…。」。

泣き声で杉山の答えは聞き取りにくかった。

「なんて?泣くな…男だろ?」。

そんな藤崎の目に、もらい泣きの涙が溜り始めていた。

「…甲子園で投げて、プロになって、メジャーに行って…チャンピオンリングをあげる……。あの夜した約束を守れなくなったから……。だから……会う為に約束に……近づけたかった……。」。

「約束に近づけ…る?」。