ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

さっきは清水の体に隠れて見えなかったが、
確かに杉山のベッドに寝ている人物がいる。


「亜紀ちゃんと別れ、手術前日に寄り縋るものがないすぎに、励ましの言葉をかけにきてみりゃ、ちゃっかり、女の子を囲ってるし。」

悪戯っぽく、笑った清水を杉山は押し退けると、ベッドの側に立った。

「遅い!」

「!?」

「!?」

唖然とする杉山と清水の前で、奈月は体を起こした。