ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「やだ、パパ。」。

奈月の言葉に、杉山は慌てて立ち上がった。

「は、はじめまして…あの、俺、いや僕…。」。

杉山の慌てぶりに、武晶は笑いながら制した。

「杉山 充君だろ。娘から色々きいてるよ。別に煮たりも焼いたりもしないから落ち着いてくれ。そんなんで、よく甲子園で投げられたね。」。

「いや、その…はぁ…。」。

杉山はまだ動揺が隠せないでいた。